午睡チェックセンサーで安全性は上がる?導入事例に学ぶ「人とセンサーのダブルチェック」

「午睡チェックセンサーを入れたら、本当に安全性は上がるの?」
「センサーを導入すると、見守り方はどう変わるの?」
午睡チェックセンサーの導入を検討する中で、このような疑問を持つ園長先生や保育士の方も多いのではないでしょうか。
午睡チェックセンサーは、保育士の見守りに代わるものではありません。日々丁寧に行われている保育士の見守りに「もう一つの目」を重ね、午睡中の安全性をさらに高めるための仕組みです。
この記事では、午睡チェックセンサーを取り入れるときの考え方と、実際にセンサーを導入した園が保育士の見守りと組み合わせて安全性を高めている取り組みを3つご紹介します。
保育士の見守りに、センサーの目を重ねるという考え方

まずは、午睡チェックセンサーを取り入れるときの基本的な考え方を整理しておきましょう。
■ 午睡中の安全は、保育士の丁寧な見守りに支えられている
たくさんの園児が寝ている保育室で、一人ひとりの体の向きや呼吸の様子を数分おきに確かめる。午睡中の子どもたちの安全は、保育士の皆さんの丁寧な見守りによって守られています。
そして、子どもの大切な命を預かる時間だからこそ、「できる対策は、一つでも多く重ねておきたい」と考える園も増えています。
■ センサーは「見守りの代わり」ではなく「もう一つの目」
午睡チェックセンサーには、衣類に取り付けるタイプ、布団の下に敷くマットタイプ、天井から見守るカメラタイプなどがあります。いずれも、午睡中の子どもの体の向きや動きを検知し続け、うつ伏せ寝などの変化があればアラートで知らせてくれます。
保育士はこれまでどおり自分の目で確認し、センサーはそこに確認を重ねます。人の目とセンサー、二つの目で同じ子どもを見守ることで、安心はさらに確かなものになります。
■ カメラ型センサーの記録は、保育士を守る支えにもなる
カメラ型の午睡チェックセンサーの中には、映像を自動で記録する機能があるものがあります。この記録は、子どもの安全のためだけのものではありません。
保育士が日々きちんと見守っていたことを、記録として残せる。そのため万が一のときにも、保育士が責任を持って仕事をしていたことを示す確かな証になります。
実際に、「保育士を守るためにも記録を残す」と職員に伝え、安心して子どもと向き合える環境づくりにつなげている園もあります(事例3でご紹介します)。
子どもを守ることと、子どもを見守る保育士を守ること。 その両方を支えられることも、センサーを重ねる大切な意味の一つです。ここからは、カメラ型午睡チェックシステム「ベビモニ」を導入した園の事例をご紹介します。
事例1|目視はそのままに、センサーを「もう一つの目」に

小規模保育所ほうりゅうじ さま(奈良県生駒郡斑鳩町/認可保育所・定員19人)
■ 「人と技術の協力」で、子どもたちを守りたい
大切な命を預かる立場として、常に安全を追求してきたほうりゅうじさま。大事にしてきたのは、人と技術が協力して、子どもたちを危険から遠ざけるという考え方です。
薄暗い保育室で複数の園児を見守り続ける責任の重さを、保育士だけでなく技術の力でも支えたい。そんな思いから、午睡チェックシステムの導入を決めました。
■ 人の目とセンサー、二重のチェックで安心を重ねる
ほうりゅうじさまでは、ベビモニを導入した後も、保育士による目視のチェックをこれまでどおり続けています。
そこに、天井のカメラが真上から園児の顔の向きを捉える確認が加わりました。顔の向きがはっきり分かるため、人の目とセンサーのダブルチェックで、以前にも増して安心して午睡の時間を見守れるようになったそうです。
また、記録はコドモンにも自動で反映されるため、午睡を担当していない保育士も結果を確認できます。担当者だけでなく、園全体で午睡中の様子に目を配れる体制につながっています。
ポイント:目視をやめるのではなく、目視に重ねる。「人の目+センサー」の二重の見守りが、安全性をさらに高める基本です。
事例2|誰が担当しても、同じ安心感で見守れる体制へ

みかんこども園 さま(愛媛県伊予市/認定こども園)
■ 自園の寝かせ方に合ったセンサーを選ぶ
みかんこども園さまでは、午睡チェックセンサーを選ぶにあたって、自園の運用に合うかどうかを大切にしました。
園児が決まった場所で寝るとは限らないことや、当時は寝かせる位置や向きを工夫する必要があったことから、寝かせる場所を選ばず、子どもの体に機器を付けずに見守れるカメラタイプを選びました。
あわせて、どの職員が午睡の見守りを担当しても、同じように安心して任せられる体制をつくりたいという思いもありました。
■ 誰が担当しても、同じように見守りを重ねられる
導入後は、急遽入った職員や、普段そのクラスを担当していない職員にも、安心して見守りを任せられるようになったそうです。担当者が替わっても、センサーが同じように見守りを重ねてくれるからです。
また、確認と記録を同時にこなす慌ただしさが和らぎ、より落ち着いて子どもたちの様子を見守れるようになったとのことでした。紙やペンを子どもの周りに置く必要がなくなり、環境面でも安全性が高まったと感じているそうです。
ポイント:交代や応援の時間帯も、いつもと同じ安心感で見守れること。それが、園全体の安全性をさらに高めます。
事例の詳細はこちら:5〜10分ごとの手書き記録と書類管理が不要に。保育に集中できる環境を実現
事例3|記録が、職員一人ひとりの安全意識をさらに高める

富士みのりこども園 さま(東京都羽村市/幼保連携型認定こども園)副園長 上野さま
■ 日々の丁寧な見守りを、さらに確かなものに
富士みのりこども園さまが午睡チェックセンサーの導入を本格的に検討し始めたのは、東京都の指導検査でSIDS対策が重点項目に位置付けられた頃でした。
職員間で徹底してきた5分ごとの確認を、仕組みの面からも支え、園としての安全対策をもう一段強化したい。そう考えて、午睡チェックシステムの導入を決めました。
■ 残る記録が、園児と保育教諭の両方を支える
特にリスクが高い0歳児クラスでベビモニを活用し、保育教諭の目視に加えて、センサーが園児の体の向きを常に計測しています。
上野さまが重視しているのが、見守りの記録がデータとして残ることです。保育教諭が日々しっかりと見守っていることを記録として示せれば、万が一のときにも保育教諭を守ることができます。
そこで職員には、「保育教諭を守るためにもデータを残す」と伝えています。記録が残ることの意味を共有したことで、安全対策に対する職員一人ひとりの意識向上にもつながっているそうです。
見学に来られた保護者の方から、「安心して預けられる」といった声をいただく機会も増えているとのことです。
ポイント:記録が残ることで、日々の見守りに向き合う意識がさらに高まり、園児と保育士の両方を守る土台になります。
センサーで安全性を高めるために、園で決めておきたいこと

3つの事例に共通しているのは、センサーを導入して終わりにせず、保育士の見守りと組み合わせて運用していることです。導入を検討する際は、次のような点を園内で共有しておきましょう。
■ 自園の寝かせ方や年齢に合ったタイプを選ぶ
取り付けタイプ、マットタイプ、カメラタイプなど、センサーにはそれぞれ特徴があります。対象の年齢や寝かせる場所、日々の運用を踏まえて、自園で無理なく続けられるものを選びましょう。
■ 目視の確認は、これまでどおり続ける
センサーはあくまで「もう一つの目」です。保育士による目視や呼吸の確認は続け、センサーと二重で見守ることを前提に運用ルールを決めておきましょう。
■ アラートが鳴ったときの動きを決めておく
アラートが鳴ったときに、誰が駆けつけ、どのように確認し、どう記録するかを、職員間で事前に共有しておくと、いざというときも落ち着いて対応できます。
■ 交代や応援の職員にも、同じ運用を伝える
午睡の時間帯は、休憩や会議などで職員が入れ替わることもあります。誰が担当しても同じように二重の見守りができるよう、運用の流れを園全体で共有しておきましょう。
■ 記録を職員みんなで振り返る
残った記録は、日々の見守りを振り返る材料にもなります。気づいたことを職員間で話し合うことで、園全体の見守りをさらに高めていけます。
まとめ

午睡チェックセンサーは、保育士の見守りに代わるものではなく、保育士の見守りに重ねる「もう一つの目」です。
今回ご紹介した園では、次のような形で安全性を高めていました。
目視を続けたまま、センサーでダブルチェックし、安心を重ねる
自園に合ったセンサーを選び、誰が担当しても同じ安心感で見守れる体制をつくる
記録を残し、その意味を共有することで、職員一人ひとりの安全意識を高める
センサーを導入することは、見守りを機械に任せることではありません。保育士の皆さんの見守りに、もう一つの目を重ねることです。人の目とセンサーが一緒に見守ることで、午睡中の安全性はさらに高まります。
午睡中の安全対策をさらに強化したいとお考えの方は、ぜひ他園の取り組みも参考にしてみてください。



