top of page

午睡チェックシステムがなぜ必要なのか

更新日:2023年1月19日



近年、厚生労働省が推進する安全対策事業でも扱われているように、保育所におけるIT導入において業務全般の情報管理を行う保育ICTシステムだけでなく、午睡時間中の安全対策を向上させるための午睡チェックシステムが注目されています。


通称、午睡チェックシステムと呼ばれるような、午睡時間中の見守りに特化した業務支援システムがなぜ必要とされるのか、情報をまとめました。


保育施設における事故の7割が午睡時間中に発生

「教育・保育施設等における事故報告集計」という内閣府が取りまとめている統計情報が毎年公表されています。その統計データの最新6年分を集計して表にまとめました。


保育施設における事故報告件数は年々増加していますが、死亡事故件数は減少傾向とみてとることができます。

出典:『教育・保育施設等における事故報告集計』から作成


また、死亡事故が年々減少しているだけでなく、それを0歳から2歳児が占める割合に関しては8割を超えています。

また死亡事故発生時の状況としては、睡眠中に発生する割合が約7割と高い比率を占めていることが分かります。

出典:『教育・保育施設等における事故報告集計』から作成



保育所運営におけるガイドラインについて

これらの状況を踏まえて、厚生労働省では、平成28年に教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインを定めて公表しています。


このガイドラインにおいて、睡眠中の安全な環境を確保するためのポイントとして以下の点が示されています。

  • 医学的な理由で医師からうつぶせ寝をすすめられている場合以外は、 乳児の顔が見える仰向けに寝かせることが重要。何よりも、一人にし ないこと、寝かせ方に配慮を行うこと、安全な睡眠環境を整えること は、窒息や誤飲、けがなどの事故を未然に防ぐことにつながる。

  • やわらかい布団やぬいぐるみ等を使用しない。

  • ヒモ、またはヒモ状のもの(例:よだれかけのヒモ、ふとんカバーの内側のヒモ、ベッドまわりのコード等)を置かない。

  • 口の中に異物がないか確認する。

  • ミルクや食べたもの等の嘔吐物がないか確認する。

  • 子どもの数、職員の数に合わせ、定期的に子どもの呼吸・体位、睡眠状態を点検すること等により、呼吸停止等の異常が発生した場合の早期発見、重大事故の予防のための工夫をする。


また、各自治体において、保育施設での安全対策ガイドラインを定めて各施設に業務の徹底を求めており、例えば横浜市の「事故防止と事故対応」内の睡眠中の対応として、以下のような項目を定めています。

  • 子どもの寝つきや睡眠中の姿勢、顔色、呼吸の状態等をきめ細かく観察(ブレスチェックな ど)し、毎回記録します。(0 歳児は 5 分に 1 回、1 歳児は 10 分に 1 回)

  • ブレスチェック表は、時刻や記録者、室温、湿度を記録します。

  • 仰向けに寝かせ、窒息予防のために寝具や周辺環境を毎日チェックします。


保育現場における保育士業務の実態

これらのガイドラインを元に多くの保育施設では、子どもたちの午睡時間中には、午睡チェック表を手元に用意し、保育士さんたちが5分もしくは10分に一度子どもたちの様子を確認してその状態や状況を記録する業務を行なっています。


それ故に、保育士1人あたりで見守る子どもの人数は数人から1,2歳児であれば最大6人までと定められている通り、見守る対象となる子どもは少なくないため、記録をしながら安全に配慮し見守り続けるのはとても負担のかかる業務となってしまっているのです。


施設によっては、午睡時間中に保育士が順番に休憩を取ったり、保育日誌を記入したり、保育に必要な制作物を作ったりしているような状況もあり、さらに多くの子どもを少ない人数で見守っている状況も発生してしまっています。


午睡チェックシステムが果たせる役割

睡眠中の安全対策をより高めるためには、保育士さんが子どもの異常事態を見逃してしまうことをいかに避けられかという視点が重要です。


そのためにも、見守り業務にいかに専念・集中してもらえるかという課題に焦点を当てたITシステムによるサポートが効果を発揮するのです。


午睡チェックシステムの主な機能としては、これらのものが挙げられます。

  1. 子どもの状態を把握して、危険を察知した場合にアラートを鳴らすこと。

  2. 午睡チェック表の記入作業を自動化すること。

危険を察知した場合には、その場にいる保育士さんに警告を鳴らして事故を事前に防ぎます。また、チェック表の記入作業を自動化してサポートすることで、子どもの見守りにより専念することを可能とするのです。


bottom of page